15年ニートした発達障害の末路

ニート歴15年、発達障害(ADHD、ASD、LD学習障害)の人生です

映画「沈黙のパレード」(原作:東野圭吾)を観てきました ※ネタバレあり

無職でお金がないですが、「沈黙のパレード」という映画を観てきました。
原作は東野圭吾さんの小説で、それを映画化したものです。

※ネタバレありです。
※厳しい感じのレビューです。


原作の小説は結構な長編で、それを2時間の映画にしたため、内容が薄く感じました。
福山雅治さんが演じる湯川教授によるトリック解決の部分は原作通り濃厚だったのですが、
それ以外の登場人物の人間関係の心理描写が少なかったなと思います。

この「沈黙のパレード」の事件の被害者の佐織さんは、
父が経営している居酒屋の看板娘で、佐織さんが赤ん坊の頃から常連客に愛されていました。
それで常連客が犯人逮捕のために必死に頑張ってました。

小説版ではそれに関するエピソードが多く書かれていて、
それで常連客が犯人を殺害するための動機と同情に繋がっていたのですが、
映画版ではそのエピソードが少なすぎて、感情移入のようなものが全くできませんでした。

佐織さんのエピソードや、犯人の性格の悪さのエピソードや、
15年前の別の事件のオッサンとか、ほぼ早足のダイジェストでした。


なので2時間ずっと湯川教授がミステリーのトリック解決に費やしてる映画でした。
僕はアホなのでそういうトリック解決の部分に弱くて、僕が重視してるのは心理描写なので、
今回の映画はミステリーマニアの人たちなら面白く感じるだろうなと思いました。

他の作品でもそうですが、小説を映画化したら内容が薄くなってしまいます。
映画は時間制限があるので原作部分の何かを削らなければなりません。
それは仕方がない事だと思います。


今回観た「沈黙のパレード」は、
被害者の佐織さんが家族や常連客にどれだけ愛されていたのか、
それで家族や常連客が力を合わせて黙秘権で逃げ続けている犯人を殺害する、
でも読者(視聴者)は犯人を殺害した家族や常連客に同情できる、
という法律に反した同情心の部分が重要だと思っていたので、
その部分を削ってトリック解決の部分ばかりを映画化したのが残念だなと思います。

良かったところは、
福山雅治(湯川教授)と、柴咲コウ(内海薫)と、北村一輝(草薙刑事)の演技が良かったです。
この3人が喋ってるだけで面白い作品だと思いました。
原作の小説でもこの3人のやり取りは面白いのですが、映画ではそれ以上に面白かったです。

実は東野圭吾さんのガリレオ作品(湯川教授の作品)を観るのは今回が初めてです。
「容疑者Xの献身」とか「真夏の方程式」も観たいと思います。